堤防の役目と構造

◆堤防と防波堤

 堤防とは、河川や海の水が侵入しないように、岸に沿って土砂を盛り上げた治水構造物のことをいい、防波堤とは、外洋から打ち寄せる波を防ぐために、海中に設置された構造物のことである。

 一般的に海釣りで使用されている護岸は、防波堤と呼ぶのがふさわしいのだが、釣り人用語では防波堤、堤防、波止(はと)などと総称して呼ばれている。

 古くから発展してきた釣りは、今でこそ海釣りが主流となっているが、内水面でのフナやコイ釣りが「遊漁」としての元になっていることもあり、本書では総称して「堤防」と書かせていただく。

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◯堤防の目的

 災害や侵食から守るのが本来の目的であり、海水の流れを反射したり向きを変え、付近の海域の静寂性を保つために設置されることが多い。

 つまり、設置された構造物の形状や向き、規模を見ればその海域の波の強さや流れの速さをおおまかに知ることができ、偏西風による海域の荒れ具合も想像できる。

◯堤防の種類

 陸から突き出している「半島提」と、沖など陸から離れて設置されている「島提」の2種類がある。島提は釣り用語で沖堤防、沖の防波堤、沖波止などと呼ばれ、釣り客を沖堤防まで乗せてくれる渡船業者もいる。

◯堤防の構造

 4つに分類されており、状況に合わせて施工される。近年では高度な港湾機能を確保するため、大規模・大水深化が要求されケーソンを採用した混成堤が一般的となっている。

 地盤の調査・整備から行い、1個10〜500kgの基礎捨石を敷いて基礎マウンドを造り、その上にケーソンが乗せられる。そして潮流で土台が削られないよう被覆石で覆われ、必要なら消波ブロックが置かれる。

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◆漁港

 漁港とは漁業者の水揚げ場であり漁船の停泊の場でもある。管理は市町村から県・国と漁港によって違う。このため、自治体により釣りが禁止されている漁港もあり、そういった場所には立ち入らないよう充分に注意をしなければならない。釣り禁止となる理由はゴミの問題や網など漁具の破損、夜間の騒音などだ。釣り場をなくさないためにもマナーを守ろう。

 近年では産地直売など、地域活性のための直売所を設けている漁港も多く、消費者との交流の場としての意味も大きくなってきている。

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◆消波ブロック

 一般的にテトラポッドなどと言われているものだが、総称して「消波根固(しょうはねがため)ブロック」という。多くの企業から様々な形状が造られており、用途に合わせて使い分けられる。

 目的は、ケーソンに当たる波を吸収したり、基礎捨石が波で削られるのを防いだりと、主に波の力を弱めるために設置される。

 さらに、消波ブロックは周辺海域の生物のすみ家ともなっており、海藻類や魚介類が付着し、それを魚類が食べて大きな生態系が出来上がっている。

 釣り人にとっても格好のポイントとなり、テトラに住んでいる魚はもちろん、消波ブロックは流れの変化を生み出すため回遊魚のコースとなる場所も多い。

 ただし、足下が不安定な場所であり、踏み外してしまうと命にかかわることでもあるため、安全のための装備や注意は万全にしておこう。

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