揃える装備とタックル

 ルアー釣りで使う道具の数をエサ釣りと比較すると、ルアー釣りの方が圧倒的に少ない。装備を軽く手軽に楽しめるという点は魅力の一つでもあるが、シンプルな装備なだけに、一つひとつの道具に対する信頼度が大きな鍵となってくる。

◆ロッド&リール

 釣具店に行けば無数のロッドが林立している。リールもまたしかり。魚種の数、釣り方の数だけ種類があると言っても過言ではないだろう。

 ジギングならジギングロッドにジギング用リール、タイラバならタイラバ専用ロッドにタイラバ用リールなどと揃えるのが一番だが、色々な釣りに挑戦するたびにタックル一式を買い揃えていたのでは破産してしまうだろう。

 最初のうちは手持ちのロッドやリールを流用して色々な釣りを試してみよう。その中で自分にピッタリくる釣り方があれば専用のタックルを揃えた方がよい。ただし、流用できるものとできないものがあるので、誤った使い方をして道具を破損しないよう注意しよう。 選び方としては、対象魚というよりも、その日使うルアーに合わせる方法がシンプルだ。ルアーの号数の幅が広いようなら当然それに対応するだけのタックルのセットが必要になる。

 故障などのトラブルも考慮して最低2セットは用意していこう。

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◆ライン

 PEライン、ナイロンライン、フロロカーボンラインの3種類が釣りで使われるラインのほとんどを占める。このうち、ルアーを使う釣りではメインラインにPEラインを使うのが主流である。

 PEとはPolyethylene(ポリエチレン)の略称で、強くて軽く耐久性の高い素材である。

 ナイロンやフロロカーボンが1本のライン(モノフィラメント)であるのに対し、PEラインは複数の繊維を編み込んだライン(マルチフィラメント)であるため、特に強度の面では他を大きく引き離し、同じ細さでも2倍以上の強度を持つ。したがって、強度は同じでもラインの細さを半分以下に落とすことができ、素材自体の軽さと相まって、ルアーの飛距離を格段に延ばすことが可能になる。

 また、劣化や紫外線に強く長持ちすることも大きな特徴。

 メリットだけではなくデメリットもある。まず高価な点が挙げられる。同じ号数、長さのナイロンやフロロカーボンラインと比べると最低でも3倍以上はする。

 また、糸絡みのトラブルを起こしやすく、絡んでしまうとほどけにくい。傷には弱く、魚の歯や根ズレで簡単に切れてしまうこともある。

 しかし、ルアー釣りにおけるPEラインの使用はデメリット以上にメリットの方が大きい。

 ジギング用、キャスティング用と釣種によって様々な商品が販売されているが、号数さえ気を付ければ基本的に流用は可能だ。しかし、ジギングやタイラバなどバーチカルな釣りではラインの色分けによる水深の把握が重要な情報となるので、なるべく専用ラインを使いたい。

◆リーダーライン

 PEラインは伸びが極端に少ないため力を分散させることができず、負荷が一点に集中して切れてしまう。そのため、PEラインの先にリーダーラインと呼ばれるフロロカーボンラインやナイロンラインを取り付けることで、クッションの役目を担わせる。また、根ズレや魚の歯からメインラインを守る役目も併せ持つ。

 リーダーラインは、擦れに強い点や沈みやすい比重を考慮すると、ナイロンラインよりもフロロカーボンラインを好む釣り人が多いようだ。

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◆ルアー

 どんな釣り方であれ、ルアーは魚と直接対峙し、魚を食いつかせる役目を持つ。そのため、あらゆる状況に対応できるように複数種のルアーを予備も合わせて数個ずつ用意する必要がある。

 ルアーが足りなくなることを考えれば多めに持っていって損はないが、事前にその日のメインとなるものを決めておき、メインアイテムを中心にカラー違いやサイズ違いを揃えておけば、迷うことなく、よりスムーズなルアー交換ができる。

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◆ウエア

 船の上での釣りは波しぶきで濡れることが多い。そのため、水に濡れることを前提として、レインウエアや濡れてもよいウエアを基本とする。

 また、夏場の暑さは衣服を脱げばどうにでもなるが、寒さだけはどうしようもない。陸上では暖かくとも海にでると天候が激変して体感温度が急に下がることもあるので、防寒・防風には特に気を配り、万全の態勢で臨もう。

 予算に余裕があるなら、水をシャットアウトし、空気だけを通す透湿タイプのウエアを選びたい。

◆キャップ

 熱中症予防と紫外線対策のための必需品で、ツバが広めのものが好ましい。夏場は熱気がこもって逆に熱中症を引き起こしてしまうこともあるので、通気性のよいメッシュタイプを選ぼう。冬場は防寒対策のためニット帽でもよい。ルアーなどから頭部を守る役目もあるのでなるべく被るように心掛けよう。

◆ライフジャケット

 船の釣りでは何はなくともライフジャケットが欠かせない。万が一の落水時に命を繋いでくれる重要なアイテムである。海上保安庁の調査によると、ライフジャケットを着用して海中に転落した場合は、ライフジャケット未着用の場合に比べて生存率が約3倍も高くなる。確実に装着するよう心掛けよう。

 船釣りでは、ポケットがたくさん付いた一般的なフィッシングベストではなく、首掛けタイプやウエストベルトタイプで膨脹式のものが主流。膨脹式なら軽くて嵩張らず激しいロッドアクションなども妨げない。

 膨脹は自動式と手動式があり、どちらも一長一短である。自動式は落水した瞬間に水に反応してガスが充填され自動で膨らみ、事故が起きたときにパニックを起こしたり気を失ってしまった場合でも、浮くことができるので安心である。

しかし手動式に比べると高価だったり、波しぶきや大雨による誤作動の心配、手軽に洗うことができないといった短所もある。

 泳ぎによほどの自信がなければ自動式を選んだ方が無難だろう。

 船宿によってはレンタルできるところもあるので予約時に確認しておこう。

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◆デッキブーツ

 船の床は濡れていることが多いため転倒防止にデッキブーツが最適。ソールはフェルト、ラジアルなどもあるが、完全にフラットなデッキ専用タイプが主流。

 膝下までガードするロングタイプよりも、くるぶし丈のショートタイプの方が動きやすく人気が高い。冬用に防寒性能を持つタイプもある。

 磯釣りなどで使うスパイクタイプは船上ではかえってスベりやすく、甲板に傷を付けてしまうため使用が禁止されている。また、いくら真夏の炎天下の釣りといえどもビーチサンダルは厳禁。滑りやすく、露出も多いためケガの危険も大きい。

◆グローブ

 軽視されがちだが、必ず役立つアイテムである。特に冬場は防寒のため必需品といえる。

 魚のヒレや歯、ルアーフックなどから手を守る役目が第一。そしてロッドを握るグリップ力も高まるため、アクションも付けやすくなる。

 夏場は通気性の高いもの、冬場はネオプレン製の保温効果の高いものを選ぼう。

 完全カバータイプ以外に、3本カット、5本カットなど、指を露出させて作業しやすくしたものがあるが、これは好みで選んでかまわないだろう。

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◆フィッシングバッグ・バッカン

 道具が少ないルアー釣りにはあまり大型のものは必要ないが、タックルケースをまとめて入れたり予備のリールやデジカメなどを保管しておくのにあると重宝する。

 波しぶきや突然の雨にも安心な完全防水タイプを選びたい。水洗いが簡単にできるものであれば釣行後の後始末も楽々だ。

◆タックルボックス

 ルアーやフックなどを入れて持ち運ぶためのケース。大きめのケースに全て収納したり、小さめのケースに種類毎に分けて収納したりと好みで選んでよい。

 完全防水タイプもあるが、よく使うルアーや使ったあとのルアーは水抜き用の穴があるウォッシャブルタイプのケースに入れておけば、釣行後にケースごと真水で洗うことができる。

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◆クーラーボックス

 キャッチアンドリリースが前提なら食料や飲み物を入れる小さめのもので充分だが、持ち帰るのならばターゲットに合わせたサイズのクーラーボックスが必要。青物用には横長タイプが最適だ。

 クーラーボックスの性能は主に使われている断熱材に左右される。性能の低い順から発泡スチロール、発泡ウレタン、真空断熱パネルとなり、これらの使用枚数や素材の厚さなどによっても保冷力は異なる。

 最大の保冷力を誇るのは真空断熱パネルを6面すべてに使ったものだが、価格もそれなりに跳ね上がる。あくまで保冷力にこだわるか、性能を抑えて大容量のものを揃えるか、予算と相談しながら最適なものを選択しよう。

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