シーバス

◆基本タックル

 魚のサイズを限定して狙うことは難しいため、通常はそこで釣れる最大サイズを目安としてタックルを組む。シーバス狙いでも同じで、ランカークラスが獲れるタックル選びが理想だ。しかしロッドに関しては使用できるルアーの重量やラインの太さ、飛距離や取り回しの良さから選ぶ長さがあり、それぞれのシチュエーションによって使い分けると釣りやすくなる。

 だが、シーバスの初心者が何本ものタックルを持って釣り場に出かけることは現実的ではなく、逆に迷いが生じて手返しが悪くなることも考えられる。

 そこで、堤防から狙うのならこれだというおすすめタックルを例にあげて説明しよう。

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◆ルアー選びの基本

 ソルトルアーの中でシーバス用ルアーが一番種類が多い。その理由の一つにシーバスの捕食行動が関係している。

 堤防周辺でのフィッシュイーターとして頂点に存在するシーバスは、外敵が少ないため大型の個体も多い。このため、エサにありつける競争率が高く、効率良くエサを捕食する行動をとる。

 その代表的な行動として、暗い部分で待ち伏せしたり、浅瀬に群れを追い込んで狩りをする。このときのシーバスはターゲットを絞って捕食しており、他の魚への興味が薄れていることが多い。このため、シーバスがそのとき捕食しているベイトに似せたルアーで狙うのが効率が良くなる。

 このことを◯◯パターンと呼んでおり、その数だけシーバス用のルアーは存在している。

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◆シーズン別のルアー選択

 慣れてくるとフィールドへ持ち込むルアーは季節ごとにある程度決まってくるものだ。しかし釣れるまではどれがいいのか分からない日々が続くだろう。

 その悩みを少しでも和らげるためには、シーズンごとに有効となるパターンを知っておくとよい。それが有効かどうかはそのとき次第であるが、シーズンに合わせた最適なルアーローテーションにはなるだろう。

◯春のルアー選択

 沖で産卵して回復後に沿岸に戻ってきたシーバスと産卵に関係ない小〜中型が釣れるシーズンだ。

 ベイトは小魚類はもちろんアミ、ムシ類、稚アユなど多く、食が偏っているのもこの時期だ。このため、小型のワームや7㎝くらいまでのミノーが主流となり、トップでも食ってくるハイシーズンとなる。

 しかし、偏食が強い場合はナブラやライズがあってもルアーには全く反応しないことも多いため、難しい季節ともなりえる。

 釣果を上げるための一番の方法は情報収集。特に釣れた場所よりも釣れたルアーや潮時が重要になってくる。

◯夏のルアー選択

 ベイトとなる小魚や甲殻類などが水温の上昇とともに活発に活動を始めるため、シーバスのベイトが絞りにくくなる。シーバスも行動範囲が広がり、汽水域はもちろん淡水域にまで遡りはじめ、港湾部や沖堤防などでもよく釣れるようになる。

 この時期はイワシやコノシロ、アジなど沿岸に群れる幼魚を主食として生活する。ルアーのサイズは春同様7㎝くらいまでがメインだが、バイブレーションが特に威力を発揮する。

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◯秋のルアー選択

 大型が最も狙いやすいシーズンとなり、特にアユが遡上する河川では落ちアユパターンにハマる。溶存酸素量が少なくなっていた夏場を過ぎ、台風などで海水が撹拌されて増水したときは、大量に流される川魚などを目当てに河口へ集まってくる。一年で最も大きなルアーが使える時期であり、ダイナミックな釣りが楽しめる。

 同じエリアに集まりやすいため、回遊コースや溜まる場所を見つけることができれば、大型を爆釣という状況もめずらしくない。

◯冬のルアー選択

 晩秋から産卵の準備に取りかかるシーバスは、初冬ごろになると沿岸から姿を消して沖へと移動する。ただし、40㎝に満たないサイズは産卵に関係なく沿岸に留まる。このサイズはライトタックルで楽しめルアーによく反応するため、レンジやリトリーブを練習するには面白いシーズンとなる。

 冬でも、コノシロなどのベイトに着いて移動している場合は、フローティングミノーでもアクティブに狙うことが可能だが、水温が急に下がったり、ベイトが下層に移動してしまうと、ボトムを取りながらタイトに狙うほうが有効となりやすい。

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◆漁港のポイント

 日中は潮通しがよい外海の回遊待ちスタイルで狙い、夜間はベイトを待ちぶせているシーバスを狙うのが基本スタイルだ。

◯日中の狙い方

 日中に堤防からの釣果は芳しくない。これは、シーバスが沖目を回遊していることが多いからだ。これを釣りやすくしてくれるのがベイトの存在。朝・夕まづめ時にはベイトが港内に入っていることがあるため、その時合だけは堤防周辺の釣果が良くなる。昼間でもベイトが接岸していればチャンスはあるので狙ってみよう。

 ベイトが見当たらない場合は、とにかく沖の潮通しが良い場所を狙ってみる。レンジは2m以下を目安にレンジローテーションする。リーリング速度は少し速めがいいだろう。1秒間にリールハンドル1・5〜2回転くらいの速度だ。速巻きするのでルアーは浮き上がらないものをチョイスするが、ロングキャストも重要になりやすい。特にバイブレーションは広く探るのに適しているので用意しておこう。

 水深がある堤防では、日中でもさらに期待がもてる。こういう場所では遠投よりも際周辺がポイントになりやすい。風が堤防に当たっているときがよく、泡溜まりなど波で気泡ができている場合はさらに確率が上がる。堤防の際を徐々にレンジを下げながら、またはボトムから探ってみる。これはテトラの際も同様に狙えるので、水深が深い場所は試してみよう。

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◯夜間の狙い方

 夜間は物陰に隠れて獲物を待ち伏せることができるため、シーバスは積極的に捕食行動を取るようになる。

 日中に狙えるポイントはそのままに、警戒心が薄れて動きまわるベイトを追って漁港内にもシーバスが入ってくる。このため、日中よりも夜間のほうがベイトの有無や位置が重要になる。

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 ベイトの探し方は意外と簡単で、ルアーをキャストすると着水音でびっくりして散ったり、引いている途中にコツコツとルアーに当たる。夜間はベイトが比較的上層に群れているので、海面のザワつきでも判断することが可能だ。

 この群れを見つけたら、まずはシーバスが隠れていそうな場所を想像しよう。そこへダイレクトにルアーを打ち込むのではなく、隠れているであろう場所の前や上を通過するようにトレースする。

 待ち伏せしているシーバスを狙う場合、有効レンジは浅いケースが多い。考え方の基本として、ベイトの遊泳層と同じか、少し下くらいをイメージするといいだろう。

 リーリング速度は日中に比べてゆっくりでよい。1秒間にリールハンドル1回転を基準として、釣れなければ変えてみる。ショートバイトが続く場合は、リーリングを少し速くしてみる。それでも掛からない場合はルアーチェンジだ。

 使用するルアーは日中よりも大型でも構わないが、やはりベイトに合わせたサイズがベターだ。カラーはアピールの高い色に反応がよくなるが、レッドやブラックといったノンアピール系での実績も高い。

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 シーバスは獲物をシルエットで判断していると言われており、識別能力も高い。つまり、使用しているルアーが「エサ」だと思うシーバスが見つけてくれない限り釣れないということになる。

 しかし、釣り人にとっては幸いなことに魚には手がなく、触る・威嚇するといった行動も口を使って行う。いわゆるリアクションバイトと呼ばれる行動で、エサと認識しなくても釣れてしまうことがよくある。

 食わせるためのシルエットやアクション、見つけてもらうためのカラーという感覚でルアーローテーションを行い、当日の当たりルアーを絞り込んでいこう。

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◆パターン攻略の基本

 一年を通して、シーバスは多くの獲物を効率良く狙う傾向にある。このため、シーバス狙いではベイトに合わせたパターンが存在し、釣り人側もシーバスを効率良く狙うことが可能だ。紹介する以外でも、コノシロパターン、イカパターン、アミパターン、サヨリパターンなど様々な攻略法が存在するので、地域やポイントに合わせた釣り方で狙ってみよう。

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◯イナパターン

 イナとはボラの稚魚の呼び名で、シーバスがイナを捕食する時期は5〜10月。港湾部や汽水域に集まりやすく、とくに河口域では多くの群れを確認することができる。警戒心もなくゆったりと群れが大きく広がっているときは、シーバスが群れを追っていないと思ってよい。逆に浅場や一定の場所にイナが溜まっている場合は、近くにシーバスが潜んでいると考えていいだろう。群れの先にルアーをキャストし、イナがルアーに当たるのを感じながら引くのが基本のトレースコースだ。

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◯バチパターン

 バチとはイソメ類など環状生物の総称。いろんなムシ類が入れ代わり産卵するため2月頃から初夏までと長く、河口域や泥質の湾奥部などで夜間に巣穴から抜けだして行われる。特に満月の大潮前後にバチ抜けが起こりやすい。

 大量の、辺り一面のバチが見られる場所は限られており、通常はポツポツと表層で確認できる程度だ。表層で見えなくても海底付近で行われていたり、視認できない場所へ流されていたりする。

 バチに狂喜乱舞する個体は中・小型が多いが、不意にランカークラスが交じっている。バチが抜ける最高潮のときにはルアーに反応しなくなる傾向にあるため、上げ7分くらいから下げ5分くらいまでが時合だと考えておきたい。

 厄介なのがルアーの微妙なアクションで食いが変わってくること。表層〜表層直下を狙えるルアーがセオリーで、カラーはダーク系がおすすめ。7㎝前後と12㎝前後のルアーを使い分けるとよい。ルアーはスローなただ巻きが基本で、特にランカークラスに有効だ。シャローレンジで楽しんだ後は、ルアーをドリフト気味に流したり、ボトムレンジをデッドスローで攻めてみよう。

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◯イワシパターン

 カタクチイワシやトウゴロウイワシが主体で、シラスと言われる小魚の類はカタクチイワシが多い。通年が産卵期であるが春と秋が盛期で、多くのフィッシュイーターの食料となっているベイトだ。シーバスも常食として意識しており好んで食べている。このため、イワシの群れについているときは他の魚には目もくれないほどであり、マッチザベイトを強く意識した釣り方が主流となる。季節は春から初冬までとシーズンの半分以上を占め、イワシを模したルアーが多いのもこのためだ。

 ルアーサイズの基準は6〜9㎝。レンジはイワシに合わせるのだが、水面下20㎝〜1mくらいまで狙えるように準備しておきたい。ボイルが頻繁にある場合はその先にルアーをキャストして少し速めのリトリーブで狙う。イワシの群れの中にルアーが入ったとき、トゥイッチやステイなどアクションを入れるとよい。

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◯アユパターン

・稚アユ

 春に6㎝前後になると遡上をはじめ、上流域へと向かう。この幼魚を狙ってシーバスが集まってくる。もちろんアユが生息する河川でしか起こらないパターンであるが、春はウグイやイナも同様にベイトとなることが多い。特に雨後の水位が上昇した状況がよく、水深があるため大型のシーバスも入ってくるようになる。「降雨後の濁り」はシーバス釣りにとって最高の条件であるが、稚アユシーズンはデイゲームでも大型の確率が高くなる。

 基本ルアーは6〜9㎝のフローティングミノー。デイゲームでは少し速巻き気味に狙い、弱ったアユを演出するトゥイッチやストップが効果的だ。

 ナイトゲームでは水面直下をスローリトリーブで狙うのが基本だが、バイトがなければベイトの中や少し下を狙うとよい。

・落ちアユ

 9月中旬から12月にかけ産卵を終えたアユは体力を消耗し、ボロボロになりながら下流へと流され約1年の一生を終える。この動きが鈍くなって捕食しやすい時期が落ちアユパターンだ。ベイトを求めて淡水域にまでシーバスが上ってくるのもこの時期であり、特に水位が上昇したときは大型狙いに適した日となる。

 夜間の満潮時がよく、橋脚の明暗部などシーバスがベイトを待ち構えるストラクチャーや壁際などが代表されるポイントになる。上げ潮と共に上流へと回遊してベイトを捕食し、下げ潮で下流域へと戻るパターンが多い。

 ベイトが大きいためルアーは9〜14㎝と大きなサイズを中心に使い水面直下付近をフローティングミノーで狙う。濁りの中や夜間が中心となるため、太めでアピール度の高いルアーが使いやすい。

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